徳川家康公遺訓から学ぶ
人の一生は重荷を負うて
遠き道を行くがごとし。
急ぐべからず。
不自由を常と思えば不足なし。
こころに望みおこらば
困窮したる時を思い出すべし。
堪忍は無事長久の基、
いかりは敵と思え。
勝つ事ばかり知りて、
負くること知らざれば害その身にいたる。
おのれを責めて人をせむるな。
及ばざるは過ぎたるよりまされり。
有名な徳川家康の遺訓です。
家康の家康たる言葉だと思います。
織田信長や豊臣秀吉から
このような言葉は残っていませんし、
この二人からこのように自分を
諫める言葉が出ることは
ありえないでしょう。
信長、秀吉は天才過ぎて、
自分を振り返るという才能は
芽生えなかったのでしょう。
一方で家康は、
天才の中でも凡人に近いので、
自分を振り返ることが出来たのでしょう。
歴史の偉人で、日本史、世界史関わらず、
自分を振り替えられるか否かが、
名君か暴君かの大きな分かれ目になるでしょう。
「大将というのは敬われているようで、
たえず家来に落ち度を探られているものである。
恐れられているようで、あなどられ、
親しまれているようで憎まれている。
だから大将というのは
勉強しなければならないし
礼儀をわきまえなければならない」
も家康の言葉です。
前半の
「大将というのは敬われているようで、
たえず家来に落ち度を
られているものである。
恐れられているようで、
あなどられ、
親しまれているようで憎まれている。」は、
信長、秀吉も頭をよぎるでしょうが、
「だから大将というのは
勉強しなければならないし
礼儀をわきまえなければならない」
は、信長には全くないでしょうし、
秀吉は、若き日にはあったかもしれません。
天下人になった家康が発言するからこそ、
偉大な言葉となります。
ビジネスにおいても、
稲盛和夫さんのように、
家康の言葉以上のことを
言われる経営者もいます。
しかしながら、
信長、秀吉系の経営者も多くおります。
そのような人が
TOPにいる会社は
だんだん人心が離れて行き、
勢いが落ちてゆくものです。
家康の言葉は、
400年たった今でも
TOPの戒めになるのです。
すごい人ですね。