世代交代はいつも・・・
人間の命には限りがあります。
どんなに強い人も、優れた人も、
金持ちも、権力者も平等に
寿命があります。
この寿命に逆らおうとしたのが、
秦の始皇帝で、
不老不死の薬を探させたとのことです。
絶対の権力者は、
この不老不死の薬が欲しいのでしょうね。
さあ、豊臣秀吉は、
不老不死とは言わないでも、
寿命が10年延びる薬でもあれば、
かなり精度の高い世代交代が
出来ると思ったでしょう。
秀吉が61歳で死んだとき、
秀頼は5歳です。
それは、それは、心配だったでしょう。
もっとも信頼が出来ない実力者徳川家康が、
秀頼を亡き者に使用としていることは、
痛いほどわかります。
では、秀吉の世代交代は
何が悪かったのでしょう。
世代交代の方針が途中で
ぶれたことだと思います。
後継者を豊臣秀次に決めて、
関白にしたにも関わらず、
子供が出来たら、
秀次を切腹に追い込んでしまいました。
秀吉が死んだあと、
身内で秀頼に引きつがせるための
ワンポイントリリーフができる
人間がいなくなってしまい、
もっとも危険な家康に
頼らざるを得なくなってしまったことです。
秀吉の後継者には、
さまざまな条件が重なって
しまいましたが、
秀吉自身が、年老いて出来た子供可愛さに、
先を読んだ判断が出来なかったとしか
言いようがありません。
秀次が存命でありさえすれば、
秀次が凡庸であったとしても、
石田三成、加藤清正、大谷吉継、福島正則等、
多くの豊臣恩顧の大名が支えて
家康が天下を取るようにならず、
豊臣家は滅亡しなかった
可能性が高いと思います。
一方で、世代交代を綿密に
何重にもできる仕組みを構築したのが、
徳川家康です。
子供も多かったのですが、
徳川宗家に次ぐ徳川御三家を作り、
宗家に跡取りがない場合は、
御三家から出せるような、
万全の態勢で250年間の
江戸幕府の強固な体制を構築しています。
このしくみは、
8代将軍吉宗は紀州徳川家から、
14台将軍家茂も紀州徳川家から、
15代将軍慶喜は一橋家からというように、
セーフティーネットが効いていて、
徳川家存続の礎となっています。
ビジネスにおいても、
後継者問題を抱える企業は多くあります。
大企業でも、ユニクロや、
ソフトバンク、日本電産・・・等、
一代で築いたキャラの濃い
カリスマ社長の後継者が非常に
難しい状況になっています。
カリスマ社長のお眼鏡に叶うために、
細かくチェックされて、
不適格となる場合も多く、
すべてがカリスマ社長次第です。
人間ですから、好き嫌いもあるのでしょうが、
後継者への引継ぎがうまくいかなくて、
衰退する企業もあります。
やはり、後継者をうまく立ち上げるには、
「信頼して任せる」をするしかないんでしょう。