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定年起業を歴史に学ぶ53典型的な人望のない後継者

典型的な人望のない後継者

 

平安期の政治の力学は、

強い者が生き残る武士の世界と違って、

いかに天皇に気に入られて、

取り上げてもらえるか、

いかに娘を天皇に嫁がせて、

皇子を産んで勢力を広げるかの

政治力学によって決まって来る世界です。

 

武士の世界は、力の強いものが勝ち残り

天下を取るというある意味

わかりやすい世界ですが、

武力を持たない貴族の世界の権力争いは、

人間臭いというか、

人間力も長けた人が勝ち残る

世界であったとも思われます。

 

「光る君へ」では、

関白藤原道隆が糖尿病で亡くなった後の

政権の移譲が描かれています。

その中心にいたのが藤原伊周です。

道隆の嫡男で、見た目はイケメンですが、

横柄な、高飛車な、人望のない人物として

描かれています。

関白道隆は、息子の伊周に

関白を譲りたかったので、

一条天皇に伊周を関白にするように直訴し、

受け入れられないことを知って、

自分の娘である中宮定子に

「早く皇子を産め―!!」

と怒鳴り散らして死んでいきます。

 

道隆の死後、次の関白は、

伊周が周りの貴族たちから嫌われて、

消去法ではありますが、

道隆の弟の道兼が就任します。

道兼は、父親の兼家が亡くなった後に

自暴自棄になりますが、

弟の道長に諭されて、

今までのダークな心を入れ替えて、

非常に崇高な人間に代わってきました。

そのような中なので、

一条天皇の関白道隆の後継への采配は、

人望のない伊周でなく、

人望が上がった道兼が指名されました。

しかし、この道兼が関白就任後7日という

短期間で、流行り病で亡くなり再度関白の

後継を選ぶことになりますが、

結局は人望のない伊周でなく、

普通であれば関白になるポジションにいない、

人間性の良い道長が選ばれることになります。

 

伊周のダメ人間ぶりは、

自分の妹である中宮定子に父親同様の「

早く皇子を産め―!!」と

怒鳴り散らすシーンがありましたが、

今ならパワハラ、マタハラ・・・

あり得ないのでしょうが、

ダメ人間ぶりがすごいですね。

でも、この時の中宮定子を役の

高畑充希さんの演技が秀逸でしたね。

伊周に怒鳴られている間の何も語らず、

悔しい中宮定子の気持ちを

よく表していました。

 

典型的な人望のない後継者である

伊周のような後継者は

現代のビジネスにも多く生息しています。

このような人物は、

サラリーマンで出世競争を勝ち抜く組織よりも、

同族企業の3代目によく現れます。

2代目は初代の苦労を見て育っているので

そこまではありませんが、

3代目は裕福な2代目を見て育ち、

勘違いして人間性が形成されないままに

大人になってしまった人間です。

 

そのような人間は、

組織の中や世の中で挫折を経験して、

道兼のように更生する人もまれにおられますが、

周りが甘やかすことによってさらにつきあがる

人間となってしまうことがよくあります。

 

私も典型的な3代目でありましたが、

私が経営者になって、

典型的な人望のない後継者になる前に、

伊周のような典型的な3代目の従兄が先におりまして、

会社を私物化して結局会社が消滅して

しまいました。

そのおかげで?

私も典型的な人望のない後継者になる

ことは出来ませんでした・・・。

よかった・・・。

ABOUT ME
ナレッジコンサルティング
プロフィール 🔶大学卒業後、東証一部上場企業に就職。その後親族の経営している会社に入社。33歳の時、取締役としてその会社の倒産を経験。同族企業としての弱点が招いた倒産であったと自覚する。倒産後の従業員救済のために新会社を設立し、再度、今までの顧客からの継続受注を勝ち取ることに成功し、多くの従業員の雇用を確保できることとなった。その後サラリーマンに転職し、中堅企業の会社役員となり、経営企画及び営業を管掌する取締役として、48億円の売り上げを250億円の売り上げまで拡大させた。 ●新規開拓営業代行のための経営コンサルタント ●同族企業の社長継承のための経営コンサルタント ●経営者の寄り添い、指針になる経営コンサルタント ●新入社員のコストで導入できる社外取締役 ●定年起業コンサルタント